性と愛の日本史


         


孝謙女帝と道教

女性のために国が滅びることを「傾国(けいこく)」と言うそうです
無断転載禁止だよ!ハガクレ★カフェより
ちょっと差別的な感じもしますが、二人の関係はまさにこれなのではないでしょうか?


749年 女帝が誕生しました

それが聖武天皇の一人娘・孝謙天皇です

この時代の女帝というのは、結婚することは許されません
男帝ならいいんですが、女帝の場合はどこの男の子供かわからなくなってしまうということで
子供を産むことを禁止されていました
もちろん、セックスもダメです

そんな孝謙天皇にはずっと右腕的存在がいました
それが恵美雄勝(えみのおしかつ)
孝謙天皇はたぶん愛情に近い信頼があったかと思われます

押勝は孝謙天皇の権力をたてにし、どんどんと勢力を伸ばし、朝廷での実力NO1にまでのし上がっていきました

そんな頃、孝謙天皇が病気になってしまいます
押勝は多忙のあまり、お見舞いにも行きませんでした

病気で心細い孝謙天皇のもとに、弓削道教(ゆげのどうきょう)という僧がお見舞いに
そして孝謙天皇のお世話をかいがいしくし、祈祷を行い、無事孝謙天皇の病気は治ったのです

それから孝謙天皇は道教をものすごく信頼するようになりました

この時道鏡は50歳くらい。孝謙は40歳なかばであります

信頼していた押勝は自分の野望のために私に優しくしてくれているだけかも・・・そんな感じで過ごしていた中に道鏡登場したもんだから、大変なことに

孝謙天皇の孤独を癒してくれた道教をものすごく大事にするようになるのです
無断転載禁止だよ!ハガクレ★カフェより
ちなみに道鏡は江戸時代「道鏡は座ると膝が3つあり」という狂歌を詠まれました
巨根で孝謙天皇をメロメロにしたという歌であります

さてさて、孝謙天皇は道教をガンガン出世させていきました

押勝はというと、あまりの道教の出世ぶりに驚き、アレコレ策をめぐらすんですが全てうまくいかない
もはや孝謙天皇は押勝を見限っていたんですね

とうとう打つ手がなくなった押勝は反乱をすることに
これが「恵美押勝の乱」です

ところが反乱を起こす前に計画がばれてしまい、失敗
押勝は処刑されてしまったのです

こうして邪魔者がいなくなった二人
道教はさらに可愛がられ、最終的には天皇の次に偉いという役職まで出世するのです

さて、そんな孝謙天皇には子供がいなかった
で、「どうせなら大好きな道教を天皇にしたい」と考えるようになるのです

だけど、今まで天皇家以外のヨソもんが天皇になった例は一度もない
その常識を破ろうと決心したのです

しかし周りのみんなは納得しない

その時、九州の宇佐八幡という神社の神様が「道鏡を天皇にすれば日本は平和になるよー」という噂が広まりました

天皇はこの噂の真偽を確かめるため和気清麻呂(わけのきよまろ)という家臣に宇佐八幡まで行かることに

後は和気清麻呂が「あの噂は本当です!」と言うのを待つだけで、早く帰ってこないかなー♪と楽しみにしていた天皇&道鏡

が、帰ってきた和気清麻呂は大勢いる前で「あの噂はウソです。天皇はやはり天皇の親族から出すようにとのことです!」と発表してしまったのです

神の声なんてないんだから、これは和気清麻呂の本心

天皇大激怒!!!

みんなの前で発表されたもんだから、もう道鏡を天皇にすることは出来なくなっちゃった

天皇は怒り収まらず、和気清麻呂の名前を穢麻呂(きたなまろ)に改名して九州に流しちゃったのです
さらに怒りは収まらず、道鏡は九州に行った穢麻呂を暗殺しようとしたらしい

これが宇佐八幡神託事件です

その後も天皇は何とか道鏡を天皇にさせようと頑張るんだけど、決め手がないまま翌年死んでしまいました
無断転載禁止だよ!ハガクレ★カフェより
道鏡は、天皇のモトで好き勝手やってたので周りから嫌われてました

天皇が死んだ後すぐに謀略の疑いあり!とされ、身分を落とされ左遷

天皇の次に偉い人まで出世したのに、死んだ時は一般市民として葬られたのでした










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