性と愛の日本史


         


井上馨

井上馨は、幕末薩長連合に奔走した人
で、維新後は新政府参与になり、明治の政治にかなり関与した人であります

さてさて、そんな井上馨の最初の妻は重太夫
第二次長州征伐の後、お疲れ様〜ってことで馬関稲荷町で遊びまくった薫
ここで宮屋のお抱え太夫といい仲になり、落籍させました

このあとすぐに旅宿油屋の娘・お富ともできちゃった二番目の妻に

そして京都に出て、あの有名な祇園島村屋の君尾と馴染みになり、だんだんと女好きが始まっていくわけであります

さてさて東京に着てからは、新橋武蔵屋の小浜に惚れちゃいました
小浜は家が貧乏だったので、子供の頃売られ芸の道を厳しく教えられた女性
ものすごく美人で、ニワトリの中に一羽だけ鶴がいるといわれるほど
そんな20歳の超売れっ子に惚れちゃった馨は、なんとかして自分のものにしようとがんばりまくり
お金を出しまくり、小浜が他のお座敷にでれないよう足止め

そんな馨には、志士として活躍している時につけた傷が体中にありました
その傷あとをみた女性は気持ち悪がって、二度と相手をしたくないという人が多かったんだけど、小浜にはそれがなかった
そしてとうとう小浜を退かせ家を与えました
ここでライバル登場
新橋の料理茶屋「伊勢源」の伊勢屋源七もずーーーっと小浜が好きだった
馨のとこに行ったというのを聞き、小浜を騙して誘い出し、駕籠にかついで自分の家へ連れて行っちゃった
小浜も小浜で「しょうがないわね」って感じで、馨のもとに帰ろうとしない
馨も馨で「あっちの方がいいんだ」とすぐにあきらめちゃいました
うーん・・・あっさり


お次は高田屋鳥助
この鳥助がのちに妻になるかよ子であります
かよ子はとっても几帳面な性格で、家はちりひとつないほどいっつもピカピカ
が、これが他のお妾さん仲間に不評
山県有朋の妾・お貞や桂太郎の妾・お鯉たちと交流があったんだけど、「ほんっとあの人の家って気詰まりするわよね」と悪口言われ放題
いっつも身なりをきちんとしていて、馨が浮気しようが何をしようが知らん顔って感じで、自分の好きな草花とたわむれておりました

さてさて、馨が晩年ホレまくったのが野島屋の丸子であります
もともと藤田平太郎が囲ってたんだけど、強引に奪っちゃいました

馨は丸子を落籍せず、かといって妾宅も持たさず、名前もそのまんまで家を一件与えました
で、その家に馨の趣味である骨董品を置いていたのであります
しばらくすると、この家の値段が上がったので、「丸子の財産を増やしてあげよう」と、家を売り新しい家を購入
が、次もまた「この家も値段があがったから売ろう」ってことになり、数回これを繰り返しました
そのうち、代わりの家がなくなってしまった丸子
仕方なく馨の友達の家の二階に荷物を置き、いい家がみつかるまでそこにいることに
これに丸子は激怒
「私は新橋でも売れっ妓だった女だというのに、素人の家の二階を借りてダンナと会うなんて。こんなことが人に知られたら恥だわ!!」

そしてとうとう「財産を増やすとかなんだかんだでもううんざり!あんなケチと一緒にいたくないわ」ってことで別れ話をきりだしました

すると馨は手切れ金3000円(当時ではかなり大金)を持ってきて「このお金をあげるから、これから死ぬまで好きな男をつくってはいかん」と命令

が、すでに丸子には彼氏がいました

「ふざけないでよ!私は好きにします!!」と言い、その3000円を投げ返したのでした
ちなみに、この時馨はすでに70歳。そして丸子はまだ25歳くらい
うーん・・・・すごいですね〜










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