権八辻斬り事件

生まれては苦界 
死しては投げ込み寺 苦界十年の女たちの世界


1679年に起きた事件です

鳥取藩の平井権八は、剣術の得意な青年でした

17歳の時に自分の父が同僚にバカにされたのを怒って、その同僚を殺してしまったため江戸へ逃げたのです

お金を全然持たずにあわただしく逃げたため、仕方なく強盗をしながら生き延びました

そして江戸で何とか生計を立てていたのです

二枚目で腕っ節も強い権八は、次第に吉原へ行くようになりました

でも貧乏なため相手にできたのは下等の女郎だけ

そんな権八は、ある日吉原で華やかに練り歩いている小紫を見てヒトメボレしてしまったのです

権八は25歳 小紫21歳でした

小紫は吉原の遊女では最高ランクの花魁で、カムロ(身の回りの世話をする少女)や若衆・新造(若い遊女)を引き連れている程の最高級遊女

今まで端女郎しか相手にできなかった権八にとって高嶺の花でした

でも好きになっちゃったものは仕方ない!

お金のない権八は手っ取り早く稼ぐには・・・と辻斬りをしてしまうのです

そして辻斬りをして盗んだお金で小紫太夫に会いに行き、馴染みとなったのです

権八の辻斬りは噂となり、江戸じゃやりづらくなったので地方まで進出

斬った人数130人

とうとうお尋ね者となってしまいました

こうなってしまってはさすがの権八も自首を覚悟

最後に一目両親に会ってから自首しようと、故郷の鳥取へ帰りますが、すでに両親は他界していました

その帰りに病に倒れてしまい、大阪町奉行所へ自首したのです

が、江戸へ護送される時 藤沢で脱走し、吉原の小紫のもとへ

権八は最後に小紫に会ってからと思ったのでした

小紫は今までの権八の悪行を聞いてビックリ

そして権八は小紫に別れを告げまた自首

今度は処刑され、死体は3日間晒されたのでした

すると小紫が権八の墓の前で自害してしまったのです

江戸庶民は小紫の後追い自殺に不審を感じていました

が、「美男美女の悲恋物語」として歌舞伎に取り上げられるようになると小紫に同情し、その意地を褒め称えるようになったのです

「本物の花魁」と・・・・・




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