吉原用語


生まれては苦界 
死しては投げ込み寺 苦界十年の女たちの世界



揚屋(あげや)

高級遊女を呼んで遊ぶ店
直接店に行くのを嫌がった上客が、揚屋に太夫クラスの遊女を呼んだ
有名な太夫の揚屋入りは黒山の人だかりになるほど
が、どんどん吉原が大衆化していったため、揚屋の数は減っていった


姉女郎(あねじょろう)

禿や新造を従わせるお姉さん遊女のこと。禿や新造にかかるお金すべて姉女郎もちなので、高級遊女しか姉女郎にはなれない

おしし

早く帰らせたい客の場合、わざと寝小便すること


髪切(かみきり)

遊女が自分の髪の毛を切り、客にあげて誠意をみせること
客が切ることが多い
自分の体の一部をあげて、いつも一緒よ・・・と思わせる


かさ

梅毒のこと。一度かさになった遊女は、二度とならないと言われていた
また、かさになって一人前の遊女と言われていた
さらに妊娠しにくい体になっているため、経営者からは喜ばれた


起請文(きしょうもん)

誓詞ともいう。遊女が誓いの言葉を文章にすること
フツーの紙はNGで、熊の神社から貰っている厄除けの護符の一つである紙に記入する


切見世(きりみせ)

低級遊女屋のこと。ここで働く遊女は病気もちとか、顔がブスとか、30歳以上とか・・・

口 説(くぜつ)

痴話げんかのこと
なかなか来てくれないお客に対して遊女がわざと口説した

「ん、もう、わてのことなんて忘れてしまったんでしょ?」とか、「どこかで浮気でもしてたんでしょ?あちき待っていたのに」など、あえて痴話げんかに持っていく
客は単純なので「オレって特別!?」と勘違いする


仕落ち(しおち)

客を喜ばせなきゃいけない遊女なのに、自分の方が客より満足しちゃうこと
遊女の間で仕落ちは恥とされており、プロとして未熟と笑われた


素見(すけん)

遊女を買わない冷やかし客のこと


爪剥ぎ(つめはぎ)

自分の爪を剥ぎ、愛の深さをアピールする
こんなに痛い思いをするほど、あなたを愛してるのよ!というもの
客は「こんな痛い思いをしてまで、オレのこと好きなのか・・・」と思ってくれる
が、実際は禿の伸びた爪を貰い、剥いだフリをして、自分の爪のように思わせたらしい


強蔵(つよぞう)

精力の強い客のこと。ちなみに弱いのは「弱蔵(よわぞう)」


妊 娠(にんしん)

遊女として、もっとも恥とされたのが妊娠
もちろん経営者側は中絶させるが、原始的な方法の中絶方法なため、死ぬ遊女が数多かった
ちなみに、中絶できず子供を産んだ場合は、女の子なら遊女になり、男の子なら若い衆として店の手伝いをさせられる。


年明き(ねんあき)

年季奉公を勤め上げたこと
年明きすると、遊女から足を洗える。が、実際足を洗っても行くあてがなく、吉原以外の場所で遊女になることが多かった


引込禿(ひきこみかむろ)

禿(7・8歳くらい)の中でも「これは将来美人になる!」と主人から見込まれた女の子のこと
引込禿は、主人のもとで英才教育される

文(ふみ)

遊女の大事な営業の一つ。大事なお客さんに手紙を書くことであります


分身(ぶんしん)

タトゥのこと。一度入れたら消えないので、生涯あなた一人よという強い意志表示となった


箒客(ほうききゃく)

包茎のお客さんのこと。遊女にしかわかんないように言っていた隠語らしい


身請け(みうけ)

遊女の夢。好きな客にお金を払ってもらい、身を引き受けてもらうということ
が、身請けされ幸せになれる遊女はほんの一握りだった


身代金

遊女を身請けするときに払うお金のこと
太夫クラスは膨大な金額だった
太夫と同じ体重の小判が必要だったり、これから稼ぐであろう金額など、ハンパじゃない金額だった


指きり

遊女が小指の第一関節から指を切り、客に渡す
かなり痛い
それほどまでに愛してるということ
貰う客も、遊女の思いに応えるくらいの気構えが必要だった
が、実際に切る遊女は少なく、偽者の指が出回ったらしい


呂の字(ろのじ)

キスのこと。ランクが高くなる遊女になると、好きな男以外とは呂の字しなかったらしい


若衆禿(わかしゅうかむろ)

吉原が忙しくなる時期に、近所の少年少女を臨時でアルバイトに雇った
その中で、眉目秀麗な男の子を花魁道中のお供に使った。この男の子のことを若衆禿と呼んだ

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吉原から出る?


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