遊びの常識

生まれては苦界 
死しては投げ込み寺 苦界十年の女たちの世界


吉原で遊ぶにはルールがあった

客が遊女と親密になるまでは3回は通わないといけないのであります

その手順を紹介

「初会(しょかい)」

とりあえず初お目見え。遊女もよそよそしく、酒宴もあまり盛り上がらない。
格の高い遊女ともなると、客から離れて座り、帯をほどくことなんてない
料理にお箸もつけず、お酒を注がれてもまったく飲まないし、それ以前に口も聞かなかったし、気に入らない客を断ることもできた。
客は高い揚代(料金)だけを取られちゃうのです

江戸後期になると、初会でもとりあえず床入りするようになります

「うら」

二度目になると、遊女も多少優しい言葉をかけてくれる

「なじみ」

3回目になると、ようやく馴染み客となれる

専用のお箸が用意されるように

が、床花(とこはな)というチップをあげなければならない


馴染み客になると、他の遊女と遊んではいけなくなる。それだけではなく、他の遊女と遊ぶのも禁止

もし他の遊女に心を移し、それがばれた場合は、罰として振袖を着せられ髪を切られてしまう

遊びのルールを知らないと、バカにされるのである

が、遊女は一人の客だけを相手してばかりはいられない

なじみ客が重なった場合は、妹分の新造が代理となり客の相手をするのです
が、この場合は床入りは禁止

こうして吉原ではもったいぶったやり方で「女の価値」を高めたのです

そしてこの「しきたり」が面倒だ!という人たちの声にこたえて、吉原以外のモグリの性風俗ができあがるのです




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吉原から出る?


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