日本の女性史


日本の女性天皇を紹介

         


孝謙天皇・称徳天皇

ある意味、女帝の中では一番の有名人かもしれないお人

「傾国」という言葉まで使われた女性であります

ちなみに傾国というのは「女性のせいで国がかたむく」というものです

さてさて、そんな孝謙天皇は718年に生まれました。天皇になる前は阿部皇女といいます

父は聖武天皇(首皇子)で、母や藤原安宿媛

お父さんの聖武天皇は長屋王の祟りを恐れ、何度も遷都を繰り返したりのお騒がせ天皇であります

さらに藤原広嗣の乱なども起こり、世の中は乱れていました

聖武天皇には第一皇子である基(もとい)親王がいたんですが、一歳で死んでしまい、その次の皇太子候補は第二皇子の安積(あさか)親王でした

が、時の権力者藤原氏が必死で安積親王が皇太子になるのを阻止しまくったのです
安積親王は藤原系の女性が産んだ皇子ではない。
そのため、藤原氏はこの安積親王が邪魔で仕方があかったのです

744年、安積親王はお出かけしました
すると突然具合が悪くなり、恭仁宮というところに戻りました。そしてそのまま17歳という若さで死んでしまったのです

この時恭仁宮で留守役をしていたのが、策士・藤原仲麻呂(ふじわらのなかまろ・後の恵美押勝)だったのです・・・・

そのため「毒殺説」がささやかれたのです

聖武天皇の子は一人娘しか残ってなかったので、738年にこの娘を皇太子にしました

これが阿部皇女です

が、周りは大ブーイング!女性皇太子になるなんて!とあちこちで反対が
女性が皇太子になるのは初めてのことだからです

今まで天皇になった女性はいたけど、どーにもなんなくて「とりあえず・・・」って感じでなってるパターンだったんだけど、この場合は「皇太子」からなので、もう「天皇」になることが約束されてたからです
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そして大仏造りの最中に、聖武天皇は最近病気がちってことで天皇を娘に譲りました

そして誕生したのが46代孝謙(こうけん)天皇です

さて世の中は長屋王の変後、聖武天皇がガンガンお金を使ったので、庶民らに大きな負担をかけていました
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そんな中飛び出してきたのが、不比等の長男武智麻呂(むちまろ・南家)の次男である藤原仲麻呂(ふじわらのなかまろ)

頭脳明晰で、ぐんぐん台頭してきました。
頭が良かったのに加え、叔母である光明皇后に取り入っていったのです

光明皇后(聖武天皇の奥さん・孝謙天皇の母)は悩みがありました
自分は藤原不比等の娘。「藤原家」の娘なのです

が、藤原四兄弟が死んでしまい、その子供達はイマイチ能力がない
このままじゃ藤原家ヤバイんじゃないの?という感じでした

そんな光明皇后の目に止まったのが藤原仲麻呂だったのです
勉学にも優れているし、政治センスも良さそうな仲麻呂を光明皇后はめちゃくちゃ可愛がりました
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そして仲麻呂はエコヒイキ丸出しの異例の出世をしていったのです
さらに光明皇后の娘である孝謙天皇も、ママの真似をして仲麻呂を大事にするように
ちなみに孝徳天皇とは恋人だったらしい・・・というウワサが
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孝謙天皇と仲麻呂は12歳違いですからねー

756年聖武天皇が死去しました

ここで出てきたのが橘奈良麻呂(たちばなのならまろ)

今まで父の橘諸兄のモトでガンガン出世していったのに、突然出てきた藤原仲麻呂がむかついて、とうとう反乱起こそうと計画!

ですが、これが仲麻呂に漏れてしまいあえなく失敗
そして、堂々と実力NO1に上り詰めた藤原仲麻呂

名前を恵美押勝(えみのおしかつ)に変えました
「暴乱に押し勝つ強さ」と、「美しさに恵まれるように」との願を込めて孝謙天皇がこの名前をプレゼントしたのです

さて、独身で天皇になっちゃった孝徳天皇には後継ぎがいない
そこで恵美押勝は、孝徳天皇の遠い親戚で、自分のいいなりになりそうな人を皇太子にすることに成功したのです

これが47代淳仁(じゅんにん)天皇となります

恵美押勝は、皇后&天皇のエコヒイキをバックに朝廷の大実力者となっていました

孝謙天皇はというと、母と押勝にほとんどお任せ状態でした

760年に孝謙天皇の母・光明皇后が死去

光明皇后が死んだことにより押勝の強い後ろ盾が無くなってしまいました

そんな中、孝謙皇后が病気になっちゃいました
その時、押勝は実力NO1だったので、忙しくって孝徳天皇のお見舞いに行かなかったのです

そこで、弱った孝謙を看病したのが弓削道鏡(ゆげのどうきょう)というお坊さん
しかも、お祈りで孝謙の病気を治してしまった!?というお人

これがきっかけで、道鏡は孝謙の大のお気に入りに
この時道鏡は50歳くらい。孝謙は40歳なかば

孝謙は天皇となってしまったため結婚もできない状態

大好きな押勝は自分の野望のためにアタシに優しくしてくれているだけかも・・・。お見舞いにも来てくれないし・・・ってな感じで過ごしていた中に道鏡登場し、孝謙の孤独を癒してくれたのでした

弓削とは弓を作る部族のことで、物部氏と親戚関係がある一族
ですが地位は物部氏よりずっと下です

さてさて、孝謙皇后は道鏡をめちゃくちゃ気に入ってしまい、道鏡はガンガン出世してきました

押勝は焦りを感じ、朝廷内の主要な部門に自分の一族を置き始めたのです
が、これが周りの反発を買ってしまい人気が落ちちゃったのです

困った押勝は、淳仁天皇に「孝謙にあんまり道鏡と仲良くするなって言っといてよ!」とお願い

淳仁は最初から押勝の言いなりだったので、仕方なく孝謙皇后に
「みっともないからあんまり道鏡と仲良くしないほうがいいんじゃないの?」と忠告したのです

孝謙皇后はこれをカンカンに怒りました

「もうあんたには仕事させない!」と、大事な政務は全て孝謙&道鏡がやり、どーでもいい仕事を淳仁天皇にやらせる!という宣言をしてしまうのです
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道鏡との恋路を邪魔されてなのか?それともあらぬ疑いをかけられて腹が立ったのかはわかりませんが、この宣言により押勝の権力は奪われてしまったのです

いよいよ押勝は打つ手がなくってしまいました

今まで兄妹のように仲良くしていた孝謙天皇が道鏡に心奪われ、自分の敵となってしまったのです
怒りまくっている孝謙天皇は、押勝と仲のいい家臣を次々と朝廷から追い出しはじめました

仲麻呂もここまでやられちゃ黙ってはいられない。
とうとう反乱を起こす準備を整え始めたのでした

が、これが孝謙天皇にバレてしまい、先手を打たれ反乱は大失敗

これが恵美押勝の乱といいます
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これにより押勝は家族とともに斬殺され、淳仁天皇は淡路島へ島流し
淳仁はその後島から脱出しようとし捕まって死んじゃいました
ある意味一番気の毒なのは淳仁天皇かもしれないですね

これで邪魔者がいなくなった孝謙皇后&道鏡

淳仁天皇が廃帝になったため、後継ぎを考えていなかった孝謙上皇が名前を変えまた天皇になりました

これが48代称徳(しょうとく)天皇でし
ちなみに同一人物が二度皇位につくことを重祚(じゅうそ) といいます

道鏡はさらに称徳天皇に可愛がられ、最終的に天皇の次に偉い法王という役職まで出世
そして称徳は自分の権力維持のために、次々と台頭してきそうな権力者を潰しまくるのです

称徳天皇は次の天皇は道鏡に・・・と考え始めました

というのも、称徳天皇は独身で子供もいない
押勝のプッシュで遠い親戚の淳仁天皇に後を譲ったけど、気に入らなくてまた自分が天皇になるし
他に後継ぎにする近い親戚は・・・と言っても、お父さんの聖武天皇は一人っ子だし、お母さんの光明皇后は藤原氏出身で、みんな押勝みたいなのばっかでいまいち信用できないし・・・

こうなったら、自分が一番信用している道鏡を次期天皇に!!と考え始めたのです
だけど、今まで天皇家以外の人が天皇になった例は一度もない

が、称徳天皇はその常識を破ろうと決心したのです

しかし周りのみんなは納得しない

その時、九州の宇佐八幡という神社の神様が「道鏡を天皇にすれば日本は平和になるよー」という噂が広まりました
称徳天皇はこの噂の真偽を確かめるため和気清麻呂(わけのきよまろ)という家臣に宇佐八幡まで行かることに

後は和気清麻呂が「あの噂は本当です!」と言うのを待つだけで、早く帰ってこないかなー♪と楽しみにしていた称徳天皇&道鏡

が、帰ってきた和気清麻呂は大勢いる前で「あの噂はウソです。天皇はやはり天皇の親族から出すようにとのことです!」と発表してしまったのです

神の声なんてないんだから、これは和気清麻呂の本心ということになります

称徳天皇大激怒!!!

みんなの前で発表されたもんだから、もう道鏡を天皇にすることは出来なくなっちゃっちゃいました

称徳天皇は怒り収まらず、和気清麻呂の名前を穢麻呂(きたなまろ)に改名して九州に流しちゃったのです。
さらに怒りは収まらず、道鏡は九州に行った穢麻呂を暗殺しようとしたらしい

これを宇佐八幡神託事件といいます

その後も称徳天皇は何とか道鏡を天皇にさせようと頑張るんだけど、決め手がない

こうして失意のまま770年53歳で亡くなってしまったのです
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ちなみに道鏡はというと・・・称徳天皇のモトで好き勝手やってたので周りから嫌われてました
称徳天皇が死んだ後すぐに謀略の疑いあり!とされ、身分を落とされ左遷
天皇の次に偉い人まで出世したのに、死んだ時は一般市民として葬られたのです










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