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日本の女性史



         


唐人お吉

お吉の本名は「斎藤きち」

1841年12月に伊豆下田で生まれました

父の市兵衛は舟大工でしたが、酒癖が悪くケンカ沙汰の耐えない人でした

この市兵衛が早死にしてしまったため、母のおきわは2人の娘を実家に預け苦労しまくったのです

お吉が7歳の時に、河津城主である向井将監(しょうげん)の愛妾・村山せんという女性の養女となりました
そして琴や三味線を習いました

お吉はとても美人に育ち、14歳の時に芸者となったのです

ちなみにお吉は父親に似てお酒大好き。生涯にわたってお酒の匂いがしてたそうです

当時下田は外国船の行き来が激しく、繁盛しまくっていました

そんな中、下田の芸者となったお吉は美貌と男勝りの勝気な性格で、下田一の売れっ子芸者となっていったのです

前年にはハリスが初代米国領事という肩書きを引っさげ下田に入港
この時ハリスは53歳
日本との外交を行っていましたが、慣れない異国暮らしに体調を崩してしまったのです

ハリスと一緒にやってきたヒュースケンは困ってしまい「病気のハリスの世話をしてくれる看護婦をよこしてくれ!」とお願いしました

ところが、日本側は「看護婦」とはナンダ??状態
まだ日本に看護婦という職業の知識がなかったのです

そのため「ふむ・・・。妾を用意しろということなのだな」と勘違いしてしまったのです

そしてその役割として白羽の矢が立ったのが、下田一の芸者・お吉だったのです
その時役人が提出した給料は年間125両・支度金25両という破格の金額で、いかに当時の幕府が米国との交渉を重要視していたかがわかりますねぇ

が、お吉はこの申し出をお断り
幼馴染の許婚がいたし、外国人に対して偏見を持ちまくっていたからです
が、役人らから「日本の国のためにこらえてくれ!ぜひ妾になってくれ!」とめちゃくちゃお願いされ、とうとうOKさせられてしまったのです

そして5月22日 17歳のお吉はハリスの妾として出仕しました
下田の人々はお吉にを哀れみの目で見送りました・・・

ところが!
だんだんとお吉の身なりが豪華になってくると、世間の人々は一転して「なによあのコ!外人なんかとさぁ・・・」と、妬みと侮蔑の目を露骨に出すようになってきたのです

お吉は「あたしは許婚と別れてまで国のために犠牲になったのに!それなのにひどい!」とますますお酒に溺れていったのです。

ところで、お吉とハリスに性的関係はあったのかというと・・・。実はなかったようです

お吉は衰弱していたハリスを懸命に看病したことは確かのようですが、ハリスはというと敬虔なクリスチャンで、本当に病気だったのでお吉のことを「看護婦」としか見ていなかったようです

そして3ヶ月後の8月 お吉は解雇されました
どうやらハリスの病気が治ったらしいです

が、世間の人々はお吉に冷たかった・・・

ハリスのもとを去ったお吉は生活費を稼ぐために芸者に戻ったんだけど、みんなに「唐人お吉」と蔑みまれ、冷たい視線を浴び続けるのです

お吉が普通の顔だったらこれほど騒がれなかったのかもしれないけど、美人だったためにねたみなども加わり、その噂はずーーっとお吉についてまわり、とうとうお吉は芸者を辞めたのです

その後はというと、28歳で横浜へ行き幼馴染で元婚約者の鶴丸と同棲をはじめました

31歳の時に「3年も離れていれば下田に戻っても世間の目は変わっているわよね・・・」と下田に戻りましたが、まだ「唐人お吉」のままでした・・・

お吉はまたも酒に救いを求め、お酒が原因で鶴丸との仲に亀裂が入り始めたのです

とうとう36歳の時に鶴丸と別れ、またも芸者となりました

42歳の時に、お吉の人生を気の毒に思った船主・亀吉が小料理屋を開き、お吉を女将に迎えてくれたのです

ですがお吉の体は長年の酒浸り生活のためボロボロになっていました
また酒癖も悪く、気に入らない客にケンカをふっかけたり・・・

一日中お酒の匂いをプンプンさせた女将の店など誰も行かず、とうとう2年でお店は潰れてしまったのです

その後はぷっつりと姿を消したお吉
そして40代後半になった頃、物乞いの中にお吉がいました

かつて下田一の売れっ子芸者だった美貌のお吉は、ハリスとたった3ヶ月関わってしまったために物乞い生活となってしまったのです・・・・

明治24年2月25日 お吉は稲生沢川で身投げをしました・・・・

ですが土地の人々は死後のお吉にも冷たく、斉藤家の菩提寺は埋葬を拒否したのです

哀れに思った宝福寺の住職が、お吉に法名を与え、お吉はやっと眠ることができたのです

51歳の哀しい生涯でした








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