義姫は、山形・最上家の姫であります
最上一族は斯波氏の末裔で、陰謀でのし上がってきた一族であります
そして、最上当主・義光(この人も、陰謀がめっちゃすごい人とゆーことで有名)の妹であります
18歳の時に、伊達家の当主である輝宗のもとへ嫁ぎました
もちろん、政略結婚です
義姫が20歳の時に、男児を出産
梵天丸と名づけられ、義姫はものすごく可愛がりました
梵天丸はスクスクと育ち、聡明で賢い子供となりました
が、梵天丸が5歳の時に疱瘡になり右目を失明してしまったのです
それから梵天丸はじめじめした性格の子供になってしまったのです
義姫は、醜い姿となり、イジイジした性格の梵天丸をあからさまに嫌いました
そして弟の小次郎をものすごくかわいがるようになったのです
その変貌ぶりはものすごく、今まで梵天丸に注がれていた愛情は全て小次郎一人へまっしぐら
梵天丸はますますひねくれた子に育っていきました
ここまで読めばわかると思いますが、この梵天丸がのちの伊達政宗なのであります
義姫は「あんな醜い子を長男だからって伊達家の跡取りにするのはイヤ!!弟の小次郎を次期当主にして!」と輝宗におねだり
が、輝宗もバカじゃない
「次男である小次郎を跡取りにするのはどうかと思うよなぁ。それに小次郎は母親にべったり。つまり、最上家の息がかかりまくってるし。伊達家が乗っ取られちゃうヨ」と考えており、義姫の提案をやーんわり断ってました
梵天丸はとゆーと、相変わらずいじけた性格でしたが、家臣の支えもあって立派な若者に成長していきました
義姫はそれがめっちゃおもしろくありませんでした
そしてとうとう、輝宗は「このままじゃ政宗がヤバイことになる。暗殺とかされちゃう前にさっさと当主の座を譲った方がいいかも」と考え、18歳になったばかりの政宗に家督を譲ったのであります
家督を譲られてすぐ、事件が起きました
何かといざこざがあった畠山家に、なんと父親の輝宗が誘拐されてしまったのです
救出にいった政宗でしたが、この時、輝宗が政宗が指揮する鉄砲隊に射殺されてしまったのです
(もちろんわざとじゃないヨ)
このことがきっかけで、義姫はますます政宗を嫌いになってしまいました
夫を殺害した長男・政宗を毛嫌いし、弟の小次郎だけをえこひいきしまくったのです
が、政宗はその悔しさをバネに、ますます優秀で強い当主へと成長していきました
18歳で家督を継いでから24歳までの間に、陸奥や出羽の半分を伊達家の領地へするほどの活躍ぶり
義姫はものすごーーーーーくおもしろくなかった
が、政宗が活躍するには時代がちょっと遅すぎた
当時はもう豊臣秀吉が天下統一目前で、小田原城を攻めることになっていたのです
いまさら秀吉には逆らえるはずもなく、政宗は秀吉に従い小田原へ参陣することに
そこへ義姫
「小田原へ行くんですって??じゃあ宴を開いてあげるわ」と言いました
政宗は「おかあさんがボクのために!?」と、大喜び!!!
が、宴が始まってまもなく、政宗は激しい腹痛に襲われたのです
解毒剤を飲み、なんとか命だけは助かりましたが、母親が自分の祝い膳に毒を仕込んだことを知った政宗はすごく悲しみました
そして「小次郎が生きている限り、またこういうことが起きてしまうかもしれない」
政宗は13歳の弟・小次郎を殺害してしまったのです
この時の政宗は「幼い弟に罪はない。だが、私は母親を殺すことができない。やむを得ないことなのだ」と言いました
あんなに憎まれても、母親を殺すことはできなかったのであります
愛する小次郎を失った義姫は、兄のいる山形へ逃げていってしまいました・・・・
政宗はというと、奥州の覇者となりガンガン出世していきます
文禄の役で朝鮮へ行くことになった政宗ですが、この時、義姫は手紙とお金をプレゼントしています
が、このプレゼントは愛情からではないです
政宗がものすごい出世していったので、「最上家」の安泰をはかるべく、行った行動であります
自分の老後の安全をもくろんだんですね〜
が、最上家は御家騒動を起こしてしまい幕府から所領没収となってしまいます
政宗はいる場所のなくなった母親を仙台へ引き取りました
そして死ぬ76歳まで、手厚く保護したのでした
政宗はきっと、ちょっとでもいいから母親の愛情が欲しかったんだろうと思います・・・
だから、こんなにひどい仕打ちをされても、見捨てることはできなかったのでしょうね
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