暗闇の日本史           




本所七不思議


都会にも不思議な現象は起こります

江戸時代の本所は不思議なことが多くおこり、「本所七不思議」と言われていました

本所とは現在の東京都墨田区本所一帯のことを言います

もともと低湿地を埋め立てした土地なので、じめじめしていたところでした



おいてけ堀


隅田川や堀で魚をつって帰る途中、水の中から「おいてけ〜おいてけ〜」という声が・・・

何匹か置いていけば何事もありませんが、そのまま帰ってしまうと道に迷ってしまったり、びくに入った魚が全部無くなっていたり・・・

この「おいてけ掘り」は本所でしか聞かない「不思議」ですが、以下の不思議は日本の各地で同じようなものが伝えられています

ちなみにおいてけ掘の怪は、河童の仕業と考えられていました





送り提灯


夜歩いていると、前の方に提灯の灯りが見える

夜道は不安なので近くに行こうとすると、その提灯はどんどん遠ざかる

追いつこうと急いでも、絶対に追いつけないという

あきらめずにそのまま追いかけてしまうと、危険なところへ誘い込まれてしまう

狐かタヌキの仕業とされていた



消えずの行燈


毎晩隅田川の土手に現れる行燈

どうやらそば屋の屋台の行燈らしいが、いつ見ても消えたことがないという

この灯りを消すと、呪われるといわれていた


馬子囃子(ばかばやし)


隅田川の土手を歩いていると、どこからともなくお祭りのお囃子の音が聞こえてくるという

音を追いていくと、いつの間にか朝になり、見た事もない場所にいるらしい


津軽の太鼓

本所にある弘前藩(津軽家の大名屋敷)では、火事になった時、まわりに知らせるため太鼓を叩くのが許されていた

他の藩は板木を叩く

あまり不思議な話しでもないので、七不思議からはずされることも多い


足洗い屋敷)

本所にある旗本屋敷では、毎晩丑三つ時になると屋敷が音をたて、天井から巨大な足が出てくる

そしてその足はとても汚れており「足を洗え」と叫ぶ

毎晩毎晩繰り返され、めんどうなので足を洗わずにいると、足の主が怒って屋根をぶちぬいてしまう

困り果てた旗本屋敷では、同僚にこのことを話すと、とても興味を持った

そして家を交換したところ、足は二度と現れなかった




落ち葉なしの椎(しい)

本所にあった新田藩松浦家の屋敷には見事な椎の木があった

が、この木は一枚を葉を落としたことがない

次第に松浦家では気味悪がり、この家を手放してしまった