暗闇の日本史           



物にまつわる怪異




平家蟹

瀬戸内海には、甲羅の部分が人間の怒っている顔に見えるカニがいます

それが「平家蟹」

源平合戦の時に敗れた平氏の無念の顔に似ているということで「平家蟹」と名づけられました

江戸時代のとある旅の歌人が、平家蟹を見て

「なまじひに なまこにもならで 平家蟹」という歌を詠みました

意味は、「平家の亡霊たちも、なまこにはなりたくなかったからカニになったのかね」という馬鹿にした意味

するとその夜、歌人のもとへ平家の亡霊が怒りの形相で現れたのです

恐ろしくなった歌人は、「なまことも ならでさすがに平家なり」と、詠みなおしました

すると亡霊たちは消えていったのです



ざくろ


ざくろという果実を知っていますか?

ざくろは「人肉」の味がするといわれ続けている果実です

昔、人間の子供をさらって食べていた鬼子母神が祭られているところには、必ずざくろの木がありました

人間の子供を食べる代わりに、ざくろを食べてくださいという意味のためです

ざくろは昔から、不吉なものと言われていました



便 所

便所には神様がいるとされていました

神様のほかに、妖怪も住んでいる場所と言われています

出産と結びつく伝承も多く、妊婦さんが便所をキレイに掃除していると美しい子が生まれるといわれています

また、便所の神様は盲目の女性で、便所につばを吐くと目の病気になるとも

また「かわやがみ」と呼ばれる神様が住んでおり、いつもキレイに掃除していると家や子供たちを守ってくれると言われています