戦後の流行語に見る日本その3

今回は戦後の日本の世相を流行語とともに紹介しちゃいます

1973年〜1983年

   



ハガクレ

その2では高度経済成長の話を聞いたけど、高度経済成長に終わりはあったの?

ユッキー


そりゃありましたよ。うすうすと経済成長の勢いは衰えてきたな・・・と感じていたところに「オイルショック」という大事件が起きたんです

ハガクレ

あ、聞いたことある!でもオイルショックって何なの?オイルがショックを受けたの?

ユッキー



・・・・。無視・・・・。1973年に第四次中東戦争が勃発した直後、アラブ産油国が原油価値を一方的に値上げしたんです。1バレルが2.5ドルだったのが、急に1バレル11ドルと、約4倍に跳ね上がったんです

ハガクレ

そりゃずいぶん横暴だねぇ

ユッキー


そうなんですよ。このオイルショックは日本に大きな影響を及ぼしました。日本の原油・石油価格もつりあがり、トイレットペーパーが無くなるという事態に陥ったんです

ハガクレ

トイレットペーパー?なんで?

ユッキー



当時の通産大臣の中曽根康弘が紙を節約するようにと呼びかけたんですが、これで「紙が無くなる」という噂が流れたんです。で、大阪の大丸ピーコックが特売宣伝で「(激安で販売するため)紙がなくなる」と書いたところ、大パニックとなってしまったんです

ハガクレ

そうなの!?

ユッキー


そりゃすさまじいものでしたよ。トイレットペーパーがなくなったら皆困るでしょう?主婦たちはスーパーに押しかけ、高値でどんどんトイレットペーパーを買いに奔走したんです

ハガクレ

なんかすごいことになっちゃったんだね

ユッキー


そうなんですよ。このトイレットペーパー騒動は本当にすごいものでした。そしてオイルショックによって日本でも「省エネ」が考えられるようになったんです

ハガクレ

いいことじゃない?

ユッキー



高度経済成長で慢心していた日本に「省エネ」という言葉が広まったのはとてもいいことでしょうね。ただ、オイルショック以後、ある種の世紀末的な考えが出てきて「ノストラダムスの大予言」などの破滅をテーマにした本が数多く出されるようになりました

ハガクレ

へぇ〜。

ユッキー


家庭内もじょじょに変化があり、自然志向の家族が出てきました。これを「ニューファミリー」というんですよ

ハガクレ

ほぉ〜

ユッキー



また女性がどんどん元気になってきましてね、男性はどんどん大人しくなってきたんですよ。元気な女性に対抗しようと「知的生活」という言葉が出てきてね、モーレツに働いてばかりじゃなく、自分の内面を磨く時間を作ろうよといった風潮が出てきたんです

ハガクレ

いいことじゃん!内面も磨かなくちゃだよね!ガンバレお父さん!

ユッキー

ちなみにこの頃流行した歌が「関白宣言」という歌なんです

ハガクレ

へー。どんな歌?

ユッキー



亭主関白万歳みたいな歌ですよ。「飯は上手く作れ」「俺より先に寝るな」「俺より後に起きるな」「俺は浮気はしないと思うがちょっと覚悟しておけ」「口出しせず黙ってついてこい」と言った詩です

ハガクレ

すごい歌だねそりゃ。

ユッキー


きっと夫婦の力関係の変わりぶりによってこのようなアナクロな歌がヒットしたんでしょうねぇ

ハガクレ

願望ソングだね

ユッキー

ですが、実際には家庭内離婚が着々と妻によって推し進められていたんですがねぇ

ハガクレ

うわ。

ユッキー


ほんとにこの時期は男性の地位が社会でも家庭でも低下していく一方でしたね。せっかく買ったマイホームほ、外国から「うさぎ小屋」なんてバカにされてしまいますしねぇ

ハガクレ

だって土地が高いんだもん。仕方ないじゃんねぇ?

ユッキー


外国は日本を「ゆとりがない」国として批判していたんですよ。東京一極集中もよくないとしていましたしね。「地方の時代」にしようという動きもあったんですがねぇ

ハガクレ

へー

ユッキー



とにかく「ゆとり」を作ろうというのがこの頃の動きでしょうかねぇ。「おいしい生活」なんていう言葉も流行し、かつては「人並みの生活」に憧れていた日本人が「人とは違う生活」を意識するようになってきたんです

ハガクレ

このあたりから多様な生活スタイルが出てくるようになってきたんだ?

ユッキー


そう!そうなんです!がむしゃらはダサい。ゆとりのある個性的な生活を望む人が増えてきたんですよ!物質的なことより、精神的なことを考えるようになってきたんです