廓の女たち

生まれては苦界 
死しては投げ込み寺 苦界十年の女たちの世界


遊女は商品であります

そのため遊女にも「等級」があり、その等級によって揚代(あげだい・料金のこと)が違います

まだ吉原ができた頃の遊女にはそんなにたくさんの「等級」がありませんでした

最初の頃、高級だったのは「太夫(たゆう)」と呼ばれていましたが、そのうち太夫という「等級」が消えていき、代わって「花魁(おいらん)」となっていきます

花魁にも何段階あったりと、時代や状況によって等級は細かくなっていくので、この等級が一番とは言い切れません(勉強不足で)

花魁という名前は中国語で「遊女」というそうです
呼び名もおいらんではなく「かかい」

その他の説では、禿などが「おいらの姉さん」と言っていたので「おいらん」となったとか・・・

おいらんという呼び名は吉原の里言葉です


最高の花魁はばんとう新造付 呼び出し

ばんとう新造とは花魁の世話役です。世話役をつけるほどランクが上ということです

まぁ、ここでは「呼び出し」と省略しちゃいます

呼び出しはわざわざ客を迎えに行くのではなく、廓の従業員が花魁を呼びにくるというもの

この「呼び出し」や「昼三」などの高級遊女は「姉女郎」と呼ばれ、自分専用の禿や新造を下につけることができます

姉女郎は使いっぱしりをさせる代わりに、下の子たちのかかったお金は全て姉女郎もち

さらに精神面でも下の子たちを支え、立派な遊女に育つように教育していかなければなりませんでした


さてさて、最初は太夫が一番ランク上でしたが、太夫の呼び名がは消え「散茶(さんちゃ)」が最高級になりました。

ですが、散茶も消えて行き、次第に以下のようになっていきます


1 呼び出し 2 昼三(ちゅうさん) 3 付け廻し 4 座敷もち 5 部屋持ち 

が、上にも書きましたが時代や状況によってばらばらなので、目安程度で考えてください


他にも・・・

禿(かむろ)・・・花魁につく6歳から14歳くらいの見習い少女 花魁のやり方を見て勉強し、遊女となる

遣手(やりて)・・・遊女の管理をする女性 年配が多い

振袖新造・・・禿からあがった見習い遊女

新造・・・部屋持ちとなった若い遊女

茶屋下女・・・茶屋の下働き

てっぽう女郎・・・女郎の中で一番安値の最低ランクの遊女

切女郎(きりじょろう)・・・時間遊びさせてくれるランク下の女郎

そのほか、時代によって「梅茶」「格子」「囲い」「散茶」「昼三」などさまざまな呼び名がありました

ちなみに、ある程度の高級遊女でも、吉原において脱走を試みたりなどすると、罰として河岸見世でも最低ランクの安女郎にされてしまいます


河岸沿いの遊女は通りかかる客の袖を持って離さないほどのすさまじさでした

遊女以外にも働いている人々はたくさんいます

おもに遊女屋の主人を「忘八」などと言った
忘八とは、義・礼・信・智などを忘れた人のことを言います

さてここで「遣手(やりて)」について

遣手になる女性は、ほとんどが遊女あがり

仕事の性質上、非情で鬼のような性格を要求された

遣手は遊女にとっても客にとっても怖い存在

さらに、拷問をするのは遣手の役目

遊郭で一番やってはいけないのは「心中・自殺・駆け落ち」など、遊郭に損を出させるもの

遊女は奴隷と同じなので、客に不愉快な思いをさせた場合も拷問がまっていた

おもに遣手が鬼のような顔をして、遊女を叩きのめしたりするのです

脱走・駆け落ちにも「ぶりぶり」という拷問があった

丸裸にされた遊女の口に手ぬぐいをくわせ、体をしばり吊り上げ、打ちたたくというもの

そのほかにも蝋燭攻め・水攻め・断食など、遣手が拷問をかけるのである




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