日本の女性史



         


坂本龍馬を支えた女性たち

坂本龍馬といえば、土佐藩出身の超有名人!
そんな龍馬を支えた女性を紹介します

龍馬を生んだ母・お幸は38歳の時に龍馬を出産
当時にしてはかなりの高齢出産であります

龍馬が生まれた年は、ハレー彗星が現れ皆が不安になっていた時代
そんな中、龍馬は生まれました

龍馬が生まれたとき、長男の権平(ごんべえ)はすでに21歳
長女は19歳の千鶴(ちづ)そして次女のお栄・三女の乙女がおりました

が、母親のお幸は龍馬を出産後病気がちとなり、末っ子龍馬は母の部屋に近づくことを禁止されていました
そのため龍馬はかなりの寂しがり屋&甘えんぼ

10歳を過ぎてもおねしょをし、性格も暗くいっつも鼻をたらしているような泣き虫子供でした

そして龍馬が12歳と時に母親が死んでしまったのです

龍馬の祖母の久は、お幸の葬式の時龍馬を母の枕元に正座させ「この子は大器晩成な子供じゃよ」と、お幸の遺体に向かって何度も何度も繰り返しました

母の死後、泣き虫だった龍馬がガラっと変わりました

この時、長女の千鶴と次女のお栄は結婚しており、母のかわりに家を守っていくことになったのが三女の乙女

この乙女がすごい女性だったのです
当時の女性では考えられないくらいの体格(身長176センチ・体重100キロ以上)で、かなりの男勝り
「坂本の仁王様」というニックネームがつくくらいのすごい人

この乙女が龍馬の母親代わりとなり龍馬を育てていくことになります

泣き虫龍馬を縄で縛り、近くの川に放り込んで自力で脱出させるといったようなスパルタ教育
今まで甘えんぼで勉強もしなかった龍馬に数々の本を無理やり読ませました

そんなスパルタ教育の中、龍馬に初恋が

それが平井収二郎の妹・平井加尾(かお)
平井収二郎とは、のちの土佐勤王党の同志となる人で、武市半平太とともに切腹してしまった人であります

加尾はとても優秀な女性で、のちに公家に仕えることになります
そんな加尾が「龍馬は本も読まないのね」と言ったもんだから、竜馬はバリバリ勉強したんですねぇ

この初恋は実りませんでしたが、大人になってから龍馬は加尾にこのような和歌を届けてます

嵐山夕べ淋しく鳴る鐘に こぼれそめけり木々のもみじ葉

さてさて龍馬はスパルタ姉・乙女が「金銭にこだわらない!!」と、龍馬に色んな事を叩き込みました

そして龍馬は脱藩し江戸へ向かうことになりました

江戸では剣術を学ぶ為に「千葉道場」へ入門
ここで龍馬より一つ年下の千葉佐那と出会うのです

龍馬は乙女姉さんに佐那への恋心を綴った手紙を送りました
「佐奈という人がいます。馬に乗り剣の腕もかなりすごく、力は並の男子よりもあります。だけど芸もたしなんでおり、14歳の時に十三弦の琴の免許皆伝してます」
どうやら龍馬は、基本的に男勝りな女性が好きだったみたいです

そして二人は相思相愛となりました

が、この頃の龍馬には日本のためにという考えがあり、「天下が平穏になったら夫婦になりましょう」ということに
そして一応は「婚約」ということで、龍馬は京都へ向かっていったのです

が、龍馬は京都で一人の女性と出会ってしまいました
それが楢崎龍(お龍)

お龍の父親は医者でしたが、井伊直弼による安政の大獄で捕らえられ死んでしまいました
そのため母とお龍・そして幼い4人の弟妹は超貧乏に
お龍は家族を養う為に京都で働いていました
そこで龍馬と出あったのです

龍馬は気が強くちゃきちゃきのお龍のことをとっても気に入り、自分があれこれと世話になっている「寺田屋」のお登勢のもとで働かせることになりました

ここで龍馬を支える女性がまた登場してます
それが寺田屋お登勢
志士たちを支えたちゃきちゃきのおっかさんです

さてさて、この頃京都はめちゃくちゃ物騒でした
ペリー来航により、「幕府は頼りにならない!!」という人たちが増え始め「幕府を倒そう=倒幕」という考えの人がうじゃうじゃおりました
そして龍馬も幕府に要チェックされていたのです

幕府側の新撰組が龍馬のいる寺田屋を包囲するという事件がおきました
その時お龍はお風呂に入っていましたが、なにやらヒソヒソと外から声がする
危険を察知したお龍は裸のまま龍馬のもとへ行き、「逃げて!」と叫んだのです
ちなみに裸でいきなりやってきたお龍にビビった龍馬は「服くらい着ろ」と言ったそうです

ということで龍馬の命を救ったお龍
この後すぐに二人は結婚しました

そして日本人初の新婚旅行を楽しんだのです
ちなみに行った先は薩摩藩

ところで、「アレ?龍馬は千葉佐那と婚約してたんじゃないの??」状態ですが、実は佐那と龍馬はあのまんな一度も会うことがなかったのです

そのため佐那は一生独身
ずっと龍馬を待ち続け、でもって「私は坂本龍馬の妻です」と言い続けたのです
なんだかかわいそうですね
ここにちょこっとこの事を紹介しています 幕末の女性たちインタビュー

話しはお龍に戻って・・・
龍馬は乙女姉さんにお龍のことを手紙で書きました
「名前は自分と似ていてお龍といいます。性格は乙女姉さんそっくりです父親が死んだ後、悪いやつに騙されて遊郭に売られた妹を助けに懐刀で乗り込んだという武勇伝もあるんです

龍馬は乙女姉さんにお龍のことを気に入ってもらいたかったのでした

ですが幸せは続きませんでした

龍馬が中岡慎太郎とともに暗殺されてしまったのです

その後、お龍は乙女のもとに身を寄せました
が、性格が似たもの同士だったため仲が悪く出て行っちゃいました

そして商人の西村松兵衛と再婚したのです

お龍の晩年もちょっとお気の毒で、いつまでたっても龍馬のことが忘れられず酒びたりの毎日
そんなもんだから周囲から嫌われていたそうです

他にも龍馬には大浦慶や、長崎の遊女紅葉賀などの女性が見え隠れしております

以上、幕末の風雲児・坂本龍馬を支えた女性たちでした








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